下田ロープウェイの山麓駅。このロープウェイは、昇る山の名前から「寝姿山ロープウェイ」(ねすがたやまろーぷうぇい)とも呼ばれる。この山を横から離れて見ると、その形が女性の寝転んでいる姿に見える事から、「寝姿山」と呼ばれるようになったという。山頂付近からは下田市街や伊豆の山々などが見られ、景色が良い。下田はアニメ夏色キセキの聖地としても知られ、2012年の聖地関連のイベントに下田ロープウェイが参加した事もあった。
その後、下田ロープウェイは2018~2019年にかけて改修・リニューアル工事が行われ、その間休止していたが、工事が完了すると2019年に再開した。この工事で駅舎やゴンドラ内などがリニューアルされ、山頂駅である寝姿山駅にはTHE ROYAL HOUSEというレストランも誕生した。これらのリニューアルは主に、水戸岡鋭治氏がデザインを担当した。彼は元々、鉄道ではなく家の家具や部屋などのインテリアデザインを担当していたが、JR九州との縁があってからは主に鉄道車両や駅のデザインを多く担当するようになり、鉄道デザイナーとして有名になった。2017年に伊豆急行線にデビューした「THE ROYAL EXPRESS」(後述)も彼による観光列車で、このレストランはその一環で誕生した。
当駅すぐ前には、新抜き駅的な存在として伊豆急下田駅があるが、駅名に「伊豆急」が付いているため新抜き駅ではない。伊豆急下田駅は伊豆急行線の終点であり、鉄道における下田の玄関口でもある。伊豆急下田駅・当駅共に1961年に開業したが、その頃既に青森県の東北本線に「下田駅」があったため、伊豆急の駅は駅名に「伊豆急」を、当駅は駅名に「新」を付けて開業した。そのため、新抜き駅は青森県の下田駅。新抜き駅は日本鉄道によって1891年に開業した歴史の古い駅で、後に東北本線の駅となった後、今は青い森鉄道の駅となっている。
※伊豆急行線は伊豆急行(株)が運営する路線で、伊東駅から伊豆半島の東側を通って南下し、伊豆急下田駅まで伸びる。熱海~伊東駅間のJR伊東線を更に南へ延長したような路線で、実際、伊東線との結び付きが強い。例えば、伊豆急行線には伊東線経由でJRの特急なども乗り入れている(踊り子号・サフィール踊り子号や、THE ROYAL EXPRESSなど)。かつては伊豆急下田以南の石廊崎(いろうざき)付近への延伸構想もあったが、それは未成線として頓挫している。また、2022年春には、JRから伊豆急線内へ転属して来た209系の中古車両が、伊豆急3000系として登場している。伊豆急3000系には「アロハ電車」の愛称も付けられた。