新馬場駅
最終更新: 2021/10/21
▼この駅について
駅名 | 読み | 新抜き駅 | 立地*立地名クリックで、 その立地を検索 |
新馬場 | しんばんば | 馬場(廃駅) | 東京都 |
開業*開業年クリックで、 同年開業の駅を検索 | 廃止 |
1976年 | - - - - 年 |
▼この駅を走る路線
▼備考
駅番号KK03の、京急本線の駅。
1904~1976年の間は地上駅の「北馬場駅」と「南馬場駅」の2駅に分かれていたが、この2駅は鉄道駅としてはあまりに近かった為、付近の高架化と同時にこれら2駅が統合された結果、当駅が誕生した。この高架化は、付近に新たに環状六号線(都道317号、通称「山手通り」(やまてどおり))を通す時、京急線を立体交差させる為に行われた。高架化には直上高架方式が取られたが、これは日本でも先駆けて導入された先進的な方式だったという。京急沿線は土地の狭い住宅密集地が多い為この方式を取らざるを得ず、京急は必然的にその技術を得た。それは後の京急蒲田駅付近の高架化にも活かされている。
付近の高架化・統合は段階的に行われ、まず下り線のみが先に1975年に完成。この時、上り線は従来の2駅体制を続けつつ、下り線のみが1つの高架駅として「北馬場・南馬場駅」という名前で統合された。つまりこの時、現在の当駅の半分が完成した事になる。そして翌年の1976年になると、一足遅れて上り線の高架化・駅統合も完了し、この時、全体が「新馬場駅」へと改称された(このサイトでは、これをもって当駅の誕生とした)。しかし、統合後の当駅は旧2駅の中間付近にホームを設けた為、旧2駅付近に住んでいた利用者にとって駅が遠くならないように配慮し、当駅の北口と南口はそれぞれ旧2駅と同じ場所に設けられた。その為、当駅には編成の短い普通列車しか停まらない割には、ホームがやたら南北に長くなっている。
※当駅の長いホームは目黒川を跨いでいるが、その川底の地下には、首都高速中央環状線の山手トンネル(やまてとんねる)という、2021年現在日本最長の道路トンネルが通っている。
※当駅には2014~2020年の間、「寺田倉庫前」の副駅名も付いていた(今は削除されている)。寺田倉庫は当駅から山手通りに沿って海側へ進んだ所にあるが、実際には天王洲アイル地区にある為、当駅よりも天王洲アイル駅の方が近い。寺田倉庫は倉庫業が本業だが、最近は芸術関係の事業もしている。
※「馬場駅」(ばんばえき)という駅は2021年現在存在せず、当駅の元となった2駅にも「北/南」が付いていた為、近隣にも一度も存在していない。しかし、過去には加南線に「馬場駅」(ばんばえき)という駅があった上、読みは違うが膳所駅の旧称も「馬場駅」(ばばえき)だった。更に、昔は長野県に別の読みの「馬場駅」(ばっぱえき)もあった。その為、過去に複数あった「馬場駅」との区別も考慮して、京急は当駅名に「新」を付けたのかもしれない。しかし、当駅名に「新」を付けた理由は公式サイトの解説には言及が無い為、推測の域を出ない。単に、高架化事業と共に「新しく出来た駅」という意味に過ぎない可能性もある。その為、新抜き駅は一応加南線の駅としているものの、当駅との絶対的な関係は無い。
※北隣の「北品川駅」は品川駅より南にあるが、実際、品川区の北の端っこにある(江戸時代からの周辺地名、品川宿という宿場町が由来)。品川駅はもはや品川区の外(港区)で、こちらは別の由来があるという。また、京急線の多くの列車は、泉岳寺駅(品川駅の北隣)で都営浅草線(新橋方面とその先の京成線・北総線)に乗り入れる。乗り入れずに品川駅で折り返す列車もあるが、その時はまず引上線に入って新品川駅(非公式)まで行く。
※2015年に、北品川~当駅間を走る普通列車が、車掌を北品川駅に置き去りにしたまま当駅へ向けて発車してしまい、車掌が外の道路を全力疾走で走って追いかけて、当駅で無事その列車に乗り込めたという珍事が発生した。北品川~当駅間が徒歩圏内だったからこそできた事でもあった。トラブルではあったものの、そのシュールさが話題になった。
※京急本線には他に、神奈川新町駅などもある。また、京急では2駅の統合によって「新」が付いた事例がもう1つある。
京急は2021年現在、当駅~北品川~品川~泉岳寺間の立体交差化事業を進めている。当駅含めた当駅以南は既にかなり高架化が進んでいるが、以北、特に北品川駅周辺には未だに地上区間が残り、開かずの踏切などが長年問題視されている。特に、品川~北品川間にある品川第一踏切(JRを跨ぐ緑色の鉄橋と急カーブ付近)はあまりに開かない為、地元住民の強引な横断が横行するなどしている。その為、北品川駅付近を高架化し、踏切を無くす予定。
更に、品川駅の京急線ホーム(京急品川駅)にも工事が入る。品川駅は、JR在来線など殆どのホームが地上にあるが、京急のホームだけが高架上にある。これが災いし、JR線の上を通っている東西自由通路がこの高架にぶつかって階段が不可避となっている為、京急品川駅もJR線に合わせて地上化(地平化)し、高架を撤廃する。それにより、品川駅の東西自由通路を京急ホームの上にそのまま通せるようになる。またこの時、列車が増えて手狭になっていた2面3線の京急品川駅ホームを2面4線化する。これで、羽田空港行きの列車とそれ以外の列車が全て同じホームから出るなどという分かりにくい構造も解消する。
まとめると、現在地上駅の北品川駅付近を高架化し、現在高架駅の品川駅付近を逆に地上化するという大規模なもの。また、京急品川駅の地平化と同時に、業務用の仮ホームである新品川駅も一緒に地平化されると思われる。一連の工事は、2029年度までに完了予定という。 ▼関連写真