新がつく駅地図手帖

新地駅


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▼この駅について 

駅名読み新抜き駅
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新地しんち福島県
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廃止
1897年- - - - 年

▼この駅を走る路線 

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JR東日本常磐線普通鉄道

▼備考 

この駅は当初、今よりもすぐ北北東辺りにあった(やや海寄り)。開業が1897年とかなり昔なのは、当初ここが日本鉄道という鉄道黎明期の私鉄によって開業したため。日本鉄道時代は、内陸を通る本線に対して、より太平洋の海岸に近い所を走る事から「海岸線」という路線名で呼ばれていた。本線は後に東北本線となり、海岸線は常磐線となった。 しかし、開業以来の場所にあった当駅は、東日本大震災の大津波により大部分が流失してしまった。そこに停車中の列車が波にのまれたという(乗客は非難し、幸い助かった)。その後長年の間、当駅のある区間は不通だったが、ルート変更・土地のかさ上げ・高架化を伴う大規模な復旧工事の末、2016年12月10日に当駅は晴れて、これまでより内陸に移設され再開業した。当駅周辺はかさ上げ工事がなされ、新しい市街地が出来つつある。 ※上図は移設後の新しい位置。かさ上げ工事のされた区画が上図の航空写真で見れるが、昔の新地駅は、その区画の右上の端辺りにあった。新旧ルートは当駅すぐ南で分岐している。また、新ルート開業と同時に、北隣の坂元駅や、山下駅も同時に復旧・再開業。 ※当駅復旧開業時、常磐線はまだ途切れていて、浪江付近は代行バスが担っていた。その後、段階的に復旧工事や除染作業が進んでいき、復旧区間を少しずつ伸ばしていった。そして2020年3月14日には、残る最後の不通区間であった富岡~浪江間がついに復旧し、震災から実に9年ぶりに、途切れていた東京~仙台(正確には日暮里~岩沼)間の線路が再び繋がった。常磐線が全線復旧したことで、普通列車のみならず、上野~仙台間をはるばる直通する特急「ひたち」なども再び走るようになった。ただ、震災当時の特急車両は主に651系だったが、今は新型のE657系に統一され、代替わりしている。全線復旧までの間、651系が普通列車車両として転用されるレアな光景も見られたが、旧型である651系はその後常磐線から引退し、鉄道ファンからは惜しむ声も出た(全線復旧後、かつてのように東京~仙台間を651系が再び直通する姿を見ておきたいものだったが、叶わなかった)。

▼関連写真 

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常磐線の坂元~新地(当駅)間の、新しい線路。新地駅へ向かっている。この日は、仙台の友達の家に遊びに行ったついでにここに寄った。撮影時、この新しい線路は開通してまだ3ヶ月程だったので、自分の他にも見に来る人が多く、電車の最前列はカメラ持ちの立ち客が既に数人陣取っていた。その頭の上から覗くように撮った【撮影日:2017/03/19】

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新地駅に到着するところ。コンクリートが新しく、とにかく青白い。バラスト(線路の下に敷かれた砂利)も白っぽい【撮影日:2017/03/19】

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新地駅を出発する、原ノ町行き。これに乗って来た。この車両は701系1000番台と言うらしい。701系は東北のJRの顔とも言うべき車両で、よく見るし、よく乗る。東北本線でも走っている。仙台付近では緑、盛岡や秋田付近では紫(青紫)やピンク色のをよく見かける。元々東北本線だった青い森鉄道などでも見かける。オール(全車)ロングシートで、中が広々している。3ドアな分、シートが長く感じる。 1500番台という改良版もあるが、見かけは殆ど同じで、ほぼ見分けができなかった。山形線の701系5500番台も同じ701系なので、見た目も仕様もすごく似ているが、山形線のは標準軌でここのは狭軌。 3.11津波被害の後、仙台発着の常磐線は長い間途中の浜吉田止まりだったが、新しい線路の開通で、うんと南の原ノ町まで復旧したのを実感する。新地から南は福島県で、復旧区間はついに県境を越えた。(この電車の先頭に陣取っていた人々は、降りてこなかった。新開通区間はまだしばらく続くからだろう)【撮影日:2017/03/19】 ※ロングシートは、窓に背を向けた座席が横長に連なる、都会に多い配置。混雑の激しい路線で、少しでも立ち客を多く詰め込めるように取られる事の多い形式で、窓に背を向けて座るため車窓を楽しみづらい。車窓は向かいの窓越しに見る他ないが、窓が遠いし、向かいの席の人と目が合う気まずさもある。誰しも子供の頃、車窓を見に後ろ向きに膝立ちして親に咎められたり、しぶしぶ靴を脱がせて許して貰った経験があるはず。また、駅弁を頂くにも、ロングシートだと食事姿が丸見えでどうも食べ辛い。そんな理由もあり、ロングシートは旅人からは不評で、特に混雑が首都圏程激しくないはずなのになぜロングシートなんだという理由で、この701系や211系、JR東海の313系などが18きっぷ利用者から敬遠される話をよく聞く。※ただ、個人的にはロングシートは言われているほど気にはならず、むしろ空いてる時のロングシートは(正面に人がいなければ)逆に車体の存在を感じつつ車窓を味わえるので、また違った良さはあると思う。また、空いたロングシート車は貸し切り感を味わえる。

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当駅の、内陸側のホームから。駒ケ嶺・原ノ町方面(上写真)と、坂元・仙台方面(下写真)を眺める。2016年に完成したばかりの新しい駅施設で、ホームのアスファルトもコンクリートも、跨線橋の白い鉄骨も、新築色をしている。跨線橋は、エレベーター完備のバリアフリー設計【撮影日:2017/03/19】

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新地駅の駅名標(海側のホーム)。【撮影日:2017/03/19】

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跨線橋に上って眺めた、西側(内陸側)の駅前ロータリーと、周辺の街の様子。夕方だったので、こっち側に太陽がある。周りに建物はまだ少ないが、ロータリーや駅前歩道、いくらかの道路は完成してるようだ。歩道には、案内板や屋根つきバス停なども整備されている。 このロータリーと駅舎は、震災後のかさ上げ工事で造られた、盛り土の上にある。この写真の真ん中ちょい奥くらいが盛り土の端っこで、その向こう側は土地が低いのが分かる。【撮影日:2017/03/19】

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同じ跨線橋から眺めた、南側(原ノ町方面)の様子。このすぐ奥で、常磐線の旧線跡とこの新線が合流する。右側(内陸側)には建物や駐車場が整備されてる一方、反対の左側(海側)はまだあまり開発が進んでいないようだ。 ところで、線路の左上の遠くに見える煙突は、相馬共同火力発電株式会社新地発電所【撮影日:2017/03/19】

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南東側(さっきの写真の左斜め前)。左奥が海。新地駅の海側の玄関口。手前には、地下道の入口が見える。改札口は線路の向かいの内陸側にしか無いため、こっちからは地下道を通って反対側まで抜ける構造になっている。 周りにはまだ殆ど建物が無かったが、海側では新しい自動車道が建設中だった。右奥に見えるコンクリートの橋が、その道路。盛り土構造の道路になっていて、また津波が来てもある程度堤防代わりになるかもしれない。 実はこの道路、常磐線の旧ルートをなぞるように作られている。震災前の常磐線はあそこを通っていたのだ(もちろん盛り土ではなく地上だった)。【撮影日:2017/03/19】

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東側(海側)を眺める。まだ殆ど更地だが、駅前にあった仮設看板によると、ここには「スマートアグリ生産プラント」なるものが建つ予定らしい。撮影時は、ただ仮設トイレがぽつぽつあるのみ。奥には、海の水平線が見える。海の手前(写真の真ん中よりちょっと左の奥)には、「新地町 新地浄化センター」というやや大きな建物が建っているのが見える。 ※手前の影は、新地駅舎の跨線橋。【撮影日:2017/03/19】

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北側(仙台方面)を眺める。駅の北側は、線路の両側ともに殆ど何も建っていない。まるで、街が出来る前のマインクラフトの世界。震災前のかつての新地駅は、この写真の右端の見切れた辺りに建っていたと思われる【撮影日:2017/03/19】

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新しい新地駅舎の姿。内陸側に建っている。駅前の歩道やロータリーは、さっき跨線橋から見下ろした写真と同じ。【撮影日:2017/03/19】

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新地駅の海側と内陸側を結ぶ地下道(新地駅地下自由通路)の、内陸側の入口。撮影時はまだ入口にトラロープが張られ、まだ開通していなかった。2018年現在は、もう開通しているはず。【撮影日:2017/03/19】

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駅前には多機能トイレ(右)も整備。ピクトグラムがやけにスリム。さっきの地下道のエレベーター(真ん中)もある。とことんバリアフリー【撮影日:2017/03/19】

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駅南側には、駐輪場や駐車場も整備された。【撮影日:2017/03/19】

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駅前には、案内板が立っていた。新地駅の立地する、新地町の地図。ちなみに、写真右に少し映っているのは、駅前ロータリーの真ん中に立つ時計で、駅前のシンボル的な存在。【撮影日:2017/03/19】

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新地駅周辺の復興開発についての、仮設の看板もあった。当駅周辺の将来の姿が載っている。【撮影日:2017/03/19】

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駅前ロータリーの向こうでは、既に何件か新しい住宅が建ち始めていた。【撮影日:2017/03/19】

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駅前の盛り土の端っこまで行ってみた。この写真は、盛り土の端っこから仙台方面へ伸びる線路を眺めたもの。駅周辺の盛り土区間を出ると、写真左奥で高架になっていることが分かる。この盛り土は、高架くらいの高さがあるのだ。【撮影日:2017/03/19】

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新地駅舎の中。乗車駅証明書発行機簡易Suica改札機が設置されている。左に駅員室があり、そこで切符を見せた。気さくな笑顔の方だった。【撮影日:2017/03/19】

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駅舎の同じ部屋の中には、新地駅の常磐線時刻表と運賃表があった。1時間に1~2本の電車がある。ちなみに、この運賃表に乗っている木戸・末続(すえつぎ)・四ツ倉は、原発事故の影響で今なお鉄路が不通の代行バス区間をまたいだ、うんと南側の駅。そのためおそらく、代行バスの運賃を含めた案内。【撮影日:2017/03/19】

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当駅に到着する、仙台行き。右のガラス戸の向こうが、さっきの駅舎の中。この後これに乗って、山下駅を目指した。【撮影日:2017/03/19】

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