新がつく駅地図手帖

新我孫子駅(仮称)


最終更新: 2021/03/13

▼この駅について 

駅名読み新抜き駅
立地*立地名クリックで、
その立地を検索
新我孫子(仮称)しんあびこ我孫子千葉県
開業*開業年クリックで、
同年開業の駅を検索
廃止
1971年- - - - 年

▼この駅を走る路線 

運営会社*虫眼鏡クリックで、
その会社を検索
路線*路線名クリックで、
その路線を検索
種別*種別名クリックで、
その種別を検索
JR東日本上野東京ライン普通鉄道
JR東日本常磐線(常磐快速線)(JJ)普通鉄道
JR東日本常磐線(常磐緩行線)(JL)普通鉄道
小田急電鉄[直通]小田原線(OH)普通鉄道
東京地下鉄(東京メトロ)[直通]千代田線(C)地下鉄

▼備考 

1971年に、常磐線の我孫子~取手間に新設された駅。開業まではこの仮称で呼ばれていたが、すぐ近くにある東我孫子駅との混同を避けるため、当時付近の地名だった「天王裏」の一部に「台」を付ける事で、正式駅名を「天王台駅」(てんのうだいえき)とした。元々付近に「天王台」という地名は無く、当駅が最初にこれを名乗ったが、後からこれは当駅南側一帯の地名としても使われている。一方、当駅敷地含めた北側は現在「柴崎台」という地名になっていて、当初の「天王裏」という地名は失われている。 常磐線の快速や上野東京ライン(品川以北の東海道線の乗り入れ)も停車する。常磐線では、北千住~ここ~取手間が複々線になっていて、緩急が分離されている(総武快速線も似ている)。その区間には、新松戸駅もある。また、この区間の綾瀬以北の各駅停車では、東京メトロ千代田線も乗り入れてくる。2016年からは、千代田線の更に向こう側の小田急線も、常磐線との相互直通運転を始めた。ただ、JR車メトロ車による小田急線方面の列車はそれなりにあるものの、小田急車による常磐線直通はほぼラッシュ時限定で、少なめ。その上、小田急車の大半は我孫子駅以西で折り返してしまうため、当駅まで来る小田急車は殆ど無い。ごく稀に小田急車の取手行きもあるが、2021年3月のダイヤ改正で更に減った。 ちなみに、我孫子駅やこの駅には、立ち食いそばで名物の唐揚げそばがある(弥生軒という店で、ホームにある)。 ※JR東日本は、2016年8月から駅番号の導入を始め、当駅の常磐線各駅停車にはJL31、常磐快速線にはJJ09の番号が付いた。また、弥生軒は2016年9月13日に、新たに新津田沼駅ホームにも進出したという。 ※我孫子~当駅間には、松戸車両センター我孫子派出所という車両基地もある。この基地が常磐快速線の上下線の間にあるため、当駅西側では常磐快速線の上下線が離れている。普段は我孫子止まりの電車が停まっている(主に我孫子止まりの各駅停車や、我孫子駅の終電・始発で待機する緑のE231系が見られる)。

▼関連写真 

702-1.jpg

天王台駅の駅名標(1・2番線、常磐快速線のホームにて)。隣の取手駅は、茨城県。【撮影日:2017/02/09】

702-2.jpg

天王台駅ホーム。この日は新松戸から我孫子を通ってここまで来た。降り立って撮影したのは常磐快速線の1・2番線ホームで、常磐緩行線(各駅停車)の3・4番線ホームはこの写真の左奥、線路の向こうに写っている。しかし、3・4番線には人気(ひとけ)が無く、そもそも明かりが灯っていないようだった。写真奥、ホームの真上に見えるのが、当駅の橋上駅舎。【撮影日:2017/02/09】

702-3.jpg

常磐快速線ホームを通過する特急(E657系)。【撮影日:2017/02/09】

702-4.jpg
702-5.jpg

天王台駅に到着する、上野東京ライン品川行き。ここから一気に品川まで行けるのは意外に思える(上野東京ラインの威力)。【撮影日:2017/02/09】 ちなみに、当駅に来る常磐快速線には2種類があって、1つはこの緑色(エメラルドグリーン)のE231系を使った、(品川~)上野~当駅~取手間を走る「快速電車」という種別。もう1つは、更に遠くの土浦・水戸・勝田の方まで行く「中距離列車」と呼ばれる種別。「快速電車」の中には、我孫子で分岐する成田線我孫子支線へ直通するものもある(そこには新木駅もある)。

702-6.jpg
702-7.jpg

上写真は、当駅に到着する中距離列車の水戸行き。下写真は、当駅を発車する、同じく中距離列車の上野東京ライン土浦行き。「中距離列車」は、緑色のE231系ではなく、この写真のような青色のE531系が走る。E231系は直流電源にしか対応しておらず、取手以北は交流電化のため、取手以北の水戸方面へ向かう中距離列車には交流にも対応したE531系が使われる(正確には取手~藤代間に境目のデッドセクションがある)。E231系の「快速電車」が取手以南で止まるのもこのため。【撮影日:2017/02/09】 ※取手以北が交流電化なのは、筑波山近く(石岡)で地磁気の研究がされてるため。また、この車両(E531系)は常磐線用というイメージが強かったが、交直流対応という強みから、E531系が東北本線でも使われるという面白いことが起こった。その他、水戸線でも使われる。E531系は交直流対応で最大15両編成の長大編成(輸送人数の多さ)の上に、スピード面でもしれっと130km/hを出すこともできるハイスペックさを誇る。そのため近年、当初よりも活躍の場を広げている。このスペックは、常磐線がTXに対抗する必要が出たために備えられたもの。2005年に開通したTXは常磐新線とも呼ばれ、競合が懸念される上に異常なほどハイスペックな路線のため、対抗できる車両を常磐線にも導入しよう、として同年に登場したのがこのE531系。

702-8.jpg

常磐快速線ホームにあった時刻表。グリーン車のマークが付いてるのが中距離列車のE531系(青いやつ)で、取手より遠くへ行ける。中には、高萩まで行くものもある。グリーン車が無い方が、快速電車のE231系(緑のやつ)。このように、2種類の快速が入り混じってやって来る。これらはそれぞれ、車両の色から青い快速緑の快速とも呼ばれる。ここでは便宜上、「青快速」「緑快速」と呼ぶ事にする。【撮影日:2017/02/09】 ※「中距離列車」(=青快速)の中にも更に2種類がある。中距離列車のうち、「特別快速」は普通の青快速よりも停車駅が少なく、当駅も通過する。 ※「快速車」「中距離車」という言い回しは、複々線の「列車線」「電車線」という国鉄時代からの独特な用語が由来と思われる。緩急分離された複々線のうち、都市内で細かく停まる近距離移動車の線路(緩)を電車線、都市間で多くの駅を通過する中/遠距離移動車の線路(急)を列車線と言う。昔は都市近郊区間・路面電車など都市内の狭い範囲しか電化が進んでおらず、電車は都市から出られなかった。そして、都市と都市の間をはるばる結ぶ長距離列車は途中の田舎で非電化区間を通らざるを得ず、必然的に非電化用の車両(SLや気動車)が担った。この名残で、たとえ完全電化済の路線であっても、「電車」「列車」を使い分ける事がある。 ※この意味での「電車」と、「気動車/SL」の対義語としての「電車」は意味合いが異なり、紛らわしい。非電化時代の名残のような用語であって現代の実態には合わないし、そもそも常磐線に関しては「快速電車」「中距離列車」共に「列車線」を走るため、厳密には該当しない。どちらかと言うと、常磐線では取手以南の電化の方が早かった(1949年に取手まで直流電化完了、以北の交流電化は無煙化計画時代の1961年)事から、取手以南を走る「快速電車」の「電車」は文字通り、「取手以北へ向かう気動車/SL」の対義語とも解釈できる。完全電化済の現代の常磐線ではこれらの区別はあまり意味が無いため、中距離列車の事を「中距離車」と呼んでも問題無いが、快速電車の事を「快速車」と呼んでしまうと中距離列車の方を指してしまうため、やはりこの奇妙な使い分けは残っている。 ※非常に紛らわしいが、常磐線で「普通車」と言っても、中距離列車(=青快速)の事を指す。「列」と付けば青快速、「電」と付けば緑快速(=快速電車)と覚えてしまった方が早く、結局前述の奇妙な使い分けがここでも生きている。取手以南では快速の役目を果たす青快速も、確かに取手以北では各駅に停まるため、例えば茨城県とかではこれを「普通列車」と呼んでも違和感は無い。しかし、ここで言う「普通列車」(=中距離列車=青快速)と、「各駅停車」(=常磐緩行線)は別物で、しかも、「快速電車」(=緑快速)とも別物。これらが混在する千葉県区間では、「各駅停車」よりも「普通列車」の方が速いとかいう意味不明な状態になった。更に、今は青/緑快速の通過駅は同じだが、昔は青快速の方が緑快速(=快速電車)よりも速かった時代もあり、「快速電車」よりも「普通列車」の方が速いとかいう更に意味不明な状態だった。流石に分かりにくすぎるため、今ではこの「普通列車」という言い回しはあまり使われず、忘れた方がいい。

702-9.jpg

弥生軒は、快速線ホームにあった。しかし、シャッターが下り、やってなかった。営業時間内だったと思うんだけど…(シャッターの貼り紙に休業について書いてありそうだったけど時間なくて読んでない…)。【撮影日:2017/02/09】

702-10.jpg

当駅の橋上駅舎内(改札口)のようす。この写真は南南西を向いて撮影。快速ホームはこの写真の手前側で、各駅停車ホームは左奥の方にある【撮影日:2017/02/09】

702-11.jpg

しかし、当駅の各駅停車ホーム(3・4番線)は閉鎖されていた。「只今の時間帯このホームからの電車は運転しておりません 1、2番線をご利用ください」との掲示が。調べると、天王台や取手まで来る各駅停車は平日の朝晩のみで、土日は終日、平日でも日中は我孫子止まりだという(ここまでやって来ない)。ホームに人気(ひとけ)が無かったのはそのため。かつては土日の朝晩にも来ていたが、2021年3月13日のダイヤ改正で更に減らされ、土日は常にここが閉鎖されるようになった。常磐線には小田急車(4000形)も来るが、ただでさえ本数の少なくなったこの我孫子~当駅~取手間にやって来る小田急車は、更に激レアとなっている。【撮影日:2017/02/09】 ※当駅開業当時(1971年)のここの常磐線はまだ単なる複線で、複々線化・緩急分離がなされておらず、常磐緩行線(各駅停車)は完全に我孫子止まりだったため、当駅には快速電車(緑快速)が来ていた。しかし、後に当駅区間を複々線化する時、当駅には快速ホームを設けない事で通過駅とし、その代わり常磐緩行線を取手まで伸ばして当駅を常磐緩行線のみの駅とする計画が進んだ。ただ、それだと快速が来ていたはずの当駅が各駅停車のみの駅に格下げされてしまう事から、我孫子市や当駅周辺の住民が反発した。それを受け、複々線化(1981年)後も快速ホームを設けて快速を停め続ける代わりに、過剰となった常磐緩行線(各駅停車)を朝晩に限定する事で今の形に落ち着いた。更に、当初は当駅を通過していた中距離列車(青快速)までもが当駅に停まるようになり(1988年)、当駅は出世していった。現在、常磐快速線は表向きには取手以北で各駅に停まる事になっているが、これによって、事実上は我孫子以東で各駅に停まる。常磐快速線の利用者にとっては停車駅が増えてやや不便との声もあるが、経緯上、仕方無いかもしれない。

702-12.jpg

天王台駅の、各駅停車ホーム。18時以降、再びここを訪れると、今度はちゃんと入れた。快速の上りの行き先は上野とか品川だが、こっちの案内表示には代々木上原方面とあり、東京メトロ千代田線経由で小田急線と繋がってることが分かる(その途中には、新松戸新御茶ノ水がある)。快速とは行き先が違うのだ。また、各駅停車には中距離列車が無いため、当駅から下り方面の行き先は取手一択しか無い。【撮影日:2017/02/09】

702-13.jpg
702-14.jpg

天王台駅の駅舎の南口側。よくあるデザインの橋上駅舎【撮影日:2017/02/09】

702-15.jpg

南口前のロータリーのようす。周辺は宅地で、ここはマンションや若干の店・塾があった。※この日は天気が悪く、雪も舞った【撮影日:2017/02/09】

702-16.jpg

天王台駅の駅舎の北口側。南口側と比べ、裏側の雰囲気があった【撮影日:2017/02/09】

702-17.jpg
702-18.jpg

北口前のロータリーや街並み。こっちの方が宅地感ある【撮影日:2017/02/09】

702-19.jpg

ところで、この日は成田線我孫子支線の東我孫子駅の様子も見に行った。近くにあることは知っていたが、どれくらい近くにあるのかと歩いてみた。近いような遠いような(別に疲れないし、10分くらいで着いた)。東我孫子駅は、立派に作られた天王台駅とは打って変わって、駅舎は無いし簡易な作りで、駅に入るのに踏切の中を通るという田舎仕様だった【撮影日:2017/02/09】

702-20.jpg

特記すべきは、東我孫子駅はいわゆる簡易Suica改札機だったこと。また、そのままではSuicaを持ってない人が改札を使えないため、まさかの乗車駅証明書発行機もある(左にある、金属の覆いに入ったオレンジっぽい箱)。これは新府駅で初めて見たが、相当田舎仕様だと思う…。天王台駅と同じ地域の宅地にあるのに、こんなに設備の豪華さが違うのは不思議な気分(幹線からローカル線が分岐する時の1つ目の駅は大体そうではあるが)。こっちは本数も段違いに少ない。【撮影日:2017/02/09】

702-21.jpg

東我孫子駅に到着する、成田線我孫子支線の成田行き。30分位何も電車が来なかったので、本数少ない。ぶれて見づらいが、方向幕に「常磐・成田線」と表示され、常磐線との繋がりが強い事が分かる(車両も天王台駅で見た「快速電車」と同じ、緑色のE231系だった)。快速電車として常磐線を走って来た後、ここへ直通して来たと思われる。この日はここから、新木駅を目指した。【撮影日:2017/02/09】 ※写真をよく見ると、緑色のE231系の緑(エメラルドグリーン)部分の下には、細い黄緑色(ウグイス色)も入っているのが見える。ここのE231系は、元々はエメラルドグリーン一色で登場したが、常磐緩行線(各駅停車)の電車も同じように緑色を使うため、誤乗を防ぐため後からウグイス色を入れたという。 ※この写真では上下線の電車が同時に到着しているが、左側の電車には柵があって入れない。これは、東我孫子駅のホームが、同じ方向を向いた単式ホーム(片側でしか乗り降りできないホーム、片面ホームとも)を2つ並べたような変な配置になっているため。この配置のホームを「上下方向別単式ホーム」と言う。 ※2021年4月に我孫子支線が開業120周年を迎えたのを記念して、昔我孫子支線を走っていたスカ色の113系をイメージし、この緑色のE231系をスカ色に変更したものが登場した。まるでウソ電。これは記念事業の1つで、当初は我孫子支線内限定で記念ヘッドマークを付けながら走っていたが、6月にはヘッドマークを外しつつも、常磐線の上野・品川方面へも直通するようになった。

 21件の関連写真。
写真を追加 / ギャラリー